1年目薬剤師が転職を検討するパターン6選
薬剤師の人材紹介をしている中で、多くの若手薬剤師とも会ってきた。
3年以内での転職は多いし、1年目で転職する人も多くいた。
1年目での転職は、世間体などもあって検討はしていても迷う人が多い。薬剤師ならば1年目の転職でも問題ない場合がほとんどなのだが、その理由はまた別記事で語る。
今回は、1年目で転職を検討する薬剤師の理由について、パターンが見えてきたのでその紹介をしようと思う。
同じような悩みを抱えている人に対し、自分だけではないと安心する材料になれば幸いだ。
転職を検討している場合、まずは転職エージェントに登録しよう。エージェントは無料かつ、相談したうえで転職しないという決定をしても全く問題ない。
まずは大手の薬キャリ やファルマスタッフ などに相談してみよう。
1年目薬剤師の転職は多い
1年目での転職というと少なく感じる人もいるようだが、意外と多い。薬キャリ の調査によると、1年目で転職した薬剤師の割合は8%。これを多いと感じるか少ないと感じるかは人次第だが、一定いるといって差支えないだろう。
3年目までの転職は42%。サンプル数が少なくはあるが、他職種では概ね3年以内離職率は30%程度といわれるので、薬剤師は転職しやすいといえる。
https://pcareer.m3.com/column/46
売り手市場なので次も見つかりやすい
薬剤師の特徴は資格取得者が少ないため、薬剤師の供給は限定的なこと。ドラッグストアなどの拡大もあり需要は増えているので、非常に転職はしやすい。
1年目であまりスキルや経験を積めないままに転職したとしても、次は見つけやすいのだ
離職率の高さは就活時の検討不足も要因
離職率が他職種より高い理由として、新卒就活も難易度が低いことが挙げられる。
新卒は中途以上に売り手市場であり、薬学生は平均1.5社しか受けないといったデータすらある。
そのため、十分に内定先を研究しきれておらず、就職後に想定との違いに気づくこともあるのだ。
もしこれを読む薬学生がいたら、十分に企業研究をしてほしい。
1年目薬剤師が転職するパターン7選
では、薬剤師が1年目で転職するパターンを紹介していく
①志望する業界を間違えた
転職するしかないのがこのパターンだ。
様々な調剤スキルを得たいのに給料の高さからドラッグストアに行ってしまったり、臨床もできるという触れ込みのために病院でなく調剤薬局に行ってしまったりなどだ。
調剤薬局、ドラッグストア、病院など各業界で得られるもの、得られないものは明確に異なる。
基本的な話であるが、必ず理解するようにしよう。
②拘束時間が長い、ブラック
これもよくあるパターンだ
- 休みが実質週1日しかない
- 休みも行事や研修に駆り出される
- 先輩からの飲み会圧力が激しい
などで、自由に使える時間がほとんどないことから転職を検討するパターンも多い
近年は一般企業であれば土日も研修に全部駆り出されるといったことは減っている。
しかし特に研修の多い薬剤師という業界においてはこういった事態もまだ起きていることは多々ある。
薬局は病院によっては土日の研修が労働扱いにならないといった場合も未だにあるため、そのような場合は実質賃金は相当低くなってしまう。
こういったことは就活時の説明会などで企業側から開示されることはほぼない。
内定先を決める前に若手薬剤師にヒアリングできるといいだろう。
もし入ってから気づいてしまった場合は、費やしている時間に対して得るものが少しでもあるか考えてみよう。
③配属に不満
これは特に全国各地にチェーン展開している調剤薬局に入った場合よくある話だ
・自分の地元の近くが良いと言った希望を出したのにはるか遠方に飛ばされた
・周囲に何も無い田舎の薬局に配属されてしまった
などといったパターンがある。
薬局によって異動までの年数というのはまちまちであるものの、数年間自分が全く希望しないエリアで過ごすのは非常に辛いだろう、
こうした事態になってしまった場合、まずは移動の機会を逃さないことが重要だ。
急拡大している薬局であれば新規出店に伴って異動の希望がないかといった調査が来ることもある。
そういった機会を逃さないように情報収集をしたり、あるいはエリアマネージャーと仲良くなっておくと言ったことを怠らないようにしよう。
④セクハラ、パワハラ
これは上下関係の厳しい病院でよく聞く事態だ。
先輩薬剤師の言うことは絶対といった雰囲気を利用し、若手薬剤師に対してセクハラやパワハラを行う例もよくある。
近年はコンプラも厳しいので告発すればまず懲戒の対象になることが多い。
しかし制度の整っていない中小の薬局であったり、あるいは加害者が力を持っていたりする場合は対応もされないこともある。
直属の上司というのは仕事の満足感に最も影響する要素である。
その上司がセクハラやパワハラを行ってくるような人であり、かつ改善も見込めない場合はさっさと転職した方がいいだろう。
⑤仕事内容が単調
いつまでたっても同じような業務をしており全く成長が感じられないという例だ。これには2パターンある。
1点目は本当に単調である場合だ。
薬局の立地にもよるが、処方する薬が限られやがて業務にすぐ慣れてしまうといったこともあるだろう。
それにもかかわらず数年間異動ができない場合、他社に就職した薬剤師が様々な経験を積んでいるにもかかわらず自分は何も変わっていないと危機感を覚えるのも理解できる。
そういった場合は早めに異動希望を出し、叶わなそうならば転職も検討すべきだ。
2点目は本人が学ぶ努力をしておらず別の仕事を任されていないといったパターンだ。
意欲を見せたり、あるいは自分から学習していると言った姿を見せないと先輩もなかなか新たな仕事を与え難い。
それによって使えないと思われ同じような仕事ばかりを振られていることもある
自分を客観的に一旦見直してみるのが大事だろう。
⑥そもそも薬剤師向いてないと思った
数年間薬剤師として働いてみて、全く興味が持てないと気づく人も一定存在する。
多くはいわゆる一般の就職に憧れているだけであったり、日々の仕事が辛いことから逃避しようとしているだけということがある。
実際に自分が転職した場合行うことになる事務や営業といった業務について詳細に調べてみると、薬剤師業務の方がいいという風に思い治すバターンだ
一方。薬剤師の業務経験がありつつも一般に転職をしたりあるいは企業をすると言った人も徐々に増えてきてはいる。
もし本当に自分が薬剤師に向いていないと思うのであれば、まずは副業や土日起業といった形でいいのでビジネスを自分でやってみるといいだろう。
そこで薬剤師としてよりも将来性があると感じられるのであれば、是非転職や独立などをしてみると良い。
まとめ:事前の情報収集が大事
様々な理由を紹介したが結局は実態とイメージのギャップといった要因が非常に大きい。
就職段階や若手の段階では情報収集をしきれず、想像で業務内容などをとらえ結果違っていたとなることも多い。
意思決定をする前には必ず入念に情報収集をするようにしよう。
もし転職を考えていたり、キャリアについて誰かに相談したいと思ったならば転職エージェントに登録してみると良い。
転職エージェントに登録しても必ずしも転職をする必要はないし、電話面談だけして情報収集をするといったことも可能だ。
登録項目は企業にもよるがそこまで多くないしもちろん無料である。
どちらも大手でありサービスのクオリティが業界トップだ
さらに情報収集をしたいといった方はマイナビ薬剤師に登録するといいだろう
皆さんが良いキャリアを送れることを願っている。